Installation view of the exhibition "キオクのかたち/キロクのかたち | Compilations of Memories and Records"
Fri. 22 Sep. - Mon. 9 Oct. 2017
横浜市民ギャラリー | Yokohama Civic Art Gallery
Curated by Risa Saito
Photo: Ken Kato
かつてこの世界・社会の中で隠されているものの可視化に取り組んでいた久保の関心は、いま自らのルーツの探究に向かっており、制作手法「記憶の遠近法」にもとづいて様々な事物を収集しています。その中には逸話や歴史など、記憶の継承や記録のために人々が編んできたものも含まれ、その引用や解釈がテキストや作家自身が語る声で作中に散りばめられます。「記憶の遠近法」は、澁澤龍彥の同名の著作からとられています。澁澤は“望遠鏡をさかさまにして世界を眺める”、つまり対象が小さく見える一時の錯視と、距離を置くことで却って呼びおこされた細かな記憶への憧憬を随筆にあらわしました。久保の作品では、集めたものにまつわる広範な情報の一部が、作家自身も持ちえない記憶につながる重層的で不可思議な状況が〈可視化〉されています。
齋藤里紗
(横浜市民ギャラリー学芸員)
その生き物は全ての生き物の中で最も姿を変える | So mutable a thing is none That moves in earth or sky or sea.
2017
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